鎌倉ケーブルテレビ 平成16年7月24日オンエアー
[なんとなくノドがへんだな」 赤尾耳鼻咽喉科医院 赤尾一郎

赤尾耳鼻咽喉科
 玄関前あたり


浜田さん:
「最近、何となくノドが引っかかるようにゴロゴロする」とか 「朝、起きるといつもノドがヒリヒリする」お医者さんにいくほどではないけど、 なんとなく気になる、そんなノドの不快感を経験したことはありませんか? そこで今回は「なんとなくノドが変だな」ということで、前回に引き続き、 御成町にあります赤尾耳鼻咽喉科医院 院長 赤尾一郎先生にお話を伺いたいと思います。


ノドのの構造図
浜田さん:
今日は「なんとなくノドが変だな」というお話なんですが、その前にまずのどの構造についてお話頂けますか

先生:
一般にノドといいますと、「咽頭」と「喉頭」のことをさします。 「咽頭」は上・中・下と分かれています。(図示し説明する) 本日のタイトル「なんとなくノドが変だな」というのは医療分野では 「咽喉頭異常感症」という一つの疾患単位として考えられております。
   「咽喉頭異常感症」
  〜ノドに異常感を惹き起こす諸疾患〜

● 局所的疾患(78.9%)
・慢性炎症 副鼻腔炎、扁桃炎 など
・アレルギー性疾患
・そのほか

●  全身的疾患(14.8%)
・貧血、糖尿病、薬の副作用 など

● 精神的疾患(6.4%)
・神経症、精神病、心身症 など
   
浜田さん:
 さて、ずっとノドが「ごろごろ」、「ひりひり」するけれど、 病院にいくほどでもないといった不快感があるとき、 どんな病気が考えられるのでしょうか?
先生:
  これはある大学病院の「咽喉頭異常感症」で訪れた方々 の原因を分析したものです。
ほとんどの場合が局的疾患ですが、糖尿病や薬の副作用、 といった全身疾患や、精神的な疾患もその原因となります。

浜田さん:
 これを見ますと、ノド以外の病気が原因になっていることが多いようですね。
先生:
 中でも慢性炎症によるものが多く、それもノド自体が原因 である場合より、その隣接する器官「鼻」、「食道」が原因 となっている場合が多いようです。鼻の場合は、夜間の鼻詰 まりが、食道の場合は胃酸の逆流が、原因となってこれらの 症状を惹き起こすことが知られています。
  鼻詰まり、口呼吸による場合

1)正しい就眠中の呼吸
 →鼻呼吸による加湿

2)鼻詰まりを起こす疾患
 ↓ ・アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎 など

3)口呼吸
  ↓・乾燥した空気がノドを刺激する

4)炎症を繰り返し慢性化
浜田さん:
まず、鼻が詰まっているということですが、、
先生:
そうですね。とくに夜間の口呼吸が慢性炎症の引き金 になっている場合が多いです。本来、就眠中の呼吸は 鼻呼吸により空気が加湿されます。しかし、鼻が詰まる と口呼吸となり、乾燥した空気が直接ノドを刺激し、 炎症を惹き起こします。毎晩これが繰り返されるわけ ですから、炎症が慢性化してしまいます。
また、寝ているときのことなので本人の自覚が ない場合がほとんどです。

  鼻が原因の場合の治療法

●鼻詰まりを起こす、原疾患の治療
疾患:
 アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎など


治療:
 鼻処置、ネブライザー、内服、点鼻薬など 


●咽頭、喉頭の処置
治療:
 ヨードグリセリンの塗布、ネブライザー、内服、うがい薬など

  両者を併用して加療することが重要!
浜田さん:
 治療はどのようにして行われるのでしょうか?
先生:
  このような場合は「ノド」のみの治療ををしていても改善しません。 重要なのは鼻詰まりを起こす原疾患の治療を同時にすることです。
点鼻薬などを用いて、寝入りの鼻詰まりを改善するとだいぶ効果 があります。。そうすると、ノドはうがい薬などの外用薬のみでも、 鼻といっしょに治療することによりノドの違和感は改善してきます。



    食道が原因の場合
   〜GERD(胃食道逆流症)〜

1)症状

「胸焼けがする」、
「胸がしみる感じがする」、
「すっぱい液が口の中まであがってくる


2)原因

逆流性食道炎、
裂孔ヘルニア、
胃の術後
浜田さん:
 さて、次にGERD(ガード)ですが、これはどういって病気なんでしょうか?
先生:
  これは「胸やけがする」「しみる感じがする」などの症状を伴って いる場合が多いのですが、胃酸の逆流のより起こる症状です。
逆流性食道炎や横隔膜裂孔ヘルニア、または胃の術後などが原因 となります。この診断には胃・食道の内視鏡検査が非常に重要ですが 、時には薬の試験投与により診断する場合もあります。
ここ最近、胃酸の逆流によってノドの違和感が生じていること が非常に多いとわかってきました。

    逆流症の治療法

1)内服療法

 胃酸を抑える薬
 ・PPI(プロトンポンプインヒビター)
 ・H2bocker

2)食生活の改善


3)外科的療法
浜田さん:
 どのように治療が行われるのでしょうか?
先生:
 まずは胃酸を抑える薬の内服から始まります。はじめ に強力な制酸作用を有するプロトンポンプインヒビターからはじめます。
 大体、8週間をめどに、もう少し生産作用のマイルドなH2ブロッカー に変更していきます。重要なのはこの期間に食生活を含めた日常生活 の改善を心がけることです。これらの治療によって改善のない場合は 外科的治療なども最近は行われています。
   逆流症患者の保存療法
●頭を15cm挙げて寝ること

●睡眠の4時間以内に食べないこと

●過量名食事を避けること

●チョコレート、カフェイン含有物、ペパーミントを摂らないこと
●アルコールを控えること

●禁煙

●標準体重以下にキープ
 「標準体重(kg)=身長(cm)-110」
浜田さん:
 日ごろからどのようなことに気をつければいいのでしょうか?
先生:
  これはある論文から抜粋してのですが、胃酸の逆流を防ぐための 日常生活の注意点について書かれています。この紙を診療所では 皆様にお渡ししております。
頭を高めにして就寝することにより、夜間の胃酸の逆流を防ぎます。
夕食に時間は非常に重要です。たとえば11時にお休みになられる方 は7時までに食事を終わらせるように心がけてください。食物の消化 にそれだけの時間を必要とするのです。消化、すなわち胃酸の分泌が 盛んなときに横ばいになるのはいけないということです。
 そのほかに食べ過ぎ、嗜好品の制限なども重要です。
浜田さん:
 今日の話のまとめをお願いします。
先生:
 ●ノドの違和感が長引く場合は、ノド以外の病変の場合が存在することが多い。
●二週間以上続く、ノドの違和感が感じられる場合は、耳鼻咽喉科を受診することをお勧めいたします。

浜田:
 軽いノドの症状でも長引く場合は早めに見てもらうことが大切ですね。 本日はどうもありがとうございました。

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